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東京試合役員会議事録
日時:平成29年12月20日(水) 18:30〜
場所:JBC本部事務局
出席者
レフェリー:安部、葛城、吉田、杉山、中村、染谷、飯田、山岸、田中、松原
アナウンサー:須藤、冨樫、佐々木
タイムキーパー:高橋、藪亀、野中
スーパーバイザー:熊崎
インスペクター:岩本、斉藤
JBC:浦谷、安河内、羽生

【海外出張報告】

 安河内局長より海外出張報告がなされた
 ・WBA総会 
ルール変更など目立った変更は特に無く通常通りの総会運営だった。
 ・OPBF総会 
タイトルマッチは日本に偏重しており従前の健全な状態に戻すにはフィリピンが幹事国では難しいと感じる。
 ・WBO総会 
8月より日本でアジアパシフィックタイトルを公認しタイトルマッチの回数も増えてきており来年もこの傾向は変わらないと思われる。現在日本人のWBOオフィシャル(審判員)は少なく今後増やしていきたいと考えている。登録にはJBCの推薦が必要となるので、試合役員会で取りまとめて相応しい人を推挙して欲しい。
 ・中国のボクシング事情 
近時、興行数が飛躍的に増え、来年は200興行が予定されている。WBAチャイナ、WBCチャイナ、IBFチャイナ等、各認定団体も軒並み中国に注力しているが、中国には現在コミッション制度が無く興行運営に不慣れな点が多々見られる。中国のボクシング関係者は日本のコミッション制度を参考にしたい意向を強く持っており、今後も試合役員の派遣などで積極的日本のノウハウを広げていけたらと考えている。
また、最近では17歳のボクサーが8回戦でリング禍に遭い現在重篤な状態となっている。この試合では救急車が試合会場に配備されておらず、WBCがこのことに強い懸念をもっており、今後日本におけるWBC世界タイトルでは会場への救急車の配備を強く求められることが予想される。


【健康管理に関する件 及び 試合運営に関する件】

 平成29年12月17日新宿フェイスにおける第4試合で、第1ラウンド坂本直之(KG大和)の左目に異変を察知したレフェリーは即座に試合を中断しドクターチェックを仰いだ。チェックの結果、眼窩底骨折が疑われたため試合続行不可能とし試合を中止した。
 このような的確な判断は先日中村レフェリーによる「試合における眼窩底骨折罹患のケースにおける対応と検証」の講義が大いに役立っていることの証左であり、今後も審判員の技量向上のためにも、こういった講義は積極的に取り入れていきたい。


【レフェリング・ジャッジに関する件】


「ビデオ検証」

■平成29年12月3日 エディオンアリーナ大阪(ゴング後の加撃の検証)

太尊康輝(六島) vs  秋山泰幸(ワタナベ) 
12回戦 WBOアジアパシフィック・OPBF東洋太平洋ミドル級タイトルマッチ
結果:秋山の5ラウンド1‘46“TKO勝ち(レフェリーストップ)

 2ラウンド終了ゴングの直後、太尊の左パンチが秋山の後頭部付近に当たり、反射的に打ち返した秋山の左フックが太尊の右顔面を捉えた。太尊は秋山にゴング後の加撃をアピールした直後にふらついて膝をつき、よろけながら自コーナーへ行き椅子に座った。この行為がスポーツマンシップに反するフェイク行為に値するのか、もしくはダメージが実際にあったのか検証を行った。
 映像で見る限り、太尊がダメージを負っているようには見えず、秋山の反則打(ゴング後の加撃)をアピールし、レフェリーに減点もしくは反則負けの判断を促す行為であることは明らかであるという意見で一致した。3ラウンドの太尊の動きにも注目したが、打ち終わり狙いやカウンターなど鋭いパンチを放っており、ダメージを引きずっているようには見えなかった。4ラウンド以降の太尊は秋山のパンチを被打するようになり、そのダメージにより5ラウンドのレフェリーストップに繋がったという意見で一致した。


■平成29年12月1日 後楽園ホール 

(無防備な状態の選手に対するレフェリーの措置の検証)
坂晃典(仲里) vs 大橋健典(角海老宝石) 10回戦 日本フェザー級タイトルマッチ
結果:大橋の5ラウンド3‘06“KO勝ち

坂は5ラウンド終了10秒前の拍子木の音をラウンド終了ゴングと勘違いし、大橋に背中を向け自コーナーに向かおうとしたが、大橋はラウンド継続中であることを認識し、後頭部への加撃とならぬよう右フックを坂の顎へ打ち込んだ。坂は仰向けにダウンし10カウントとなった。

ボクサーはリング上ではいかなる場合も自分の身は自分で守らなければならず、油断や勘違いによる被打は自己責任となることは言うまでもない。その意味でも大橋の攻撃やレフェリーの措置には何ら問題はないという意見で一致した。
今回の場合、大橋が背を向けた坂に攻撃する際、レフェリーは間に割って入ることは不可能な位置にいた。今後このようなケースの場合、もしレフェリーが両選手の間に割って入ることが可能な位置にいた場合は、防御態勢にない無防備な選手への危険な可撃を防ぐためにも一旦試合をストップし、両選手が臨戦態勢となるよう仕切り直しを試みた方が良いという意見で一致した。


■平成29年12月19日 後楽園ホール(戦意喪失した選手のストップ検証)

岡田博喜(角海老) vs ジェイソン・パガラ(比国) 
12回戦 WBOアジアパシフィック スーパー・ライト級王座決定戦
結果:岡田の6ラウンド0‘59“TKO勝ち

6ラウンド岡田の攻撃でコーナーに詰まったパガラが突如岡田に背中を向けて戦意喪失状態となった。レフェリーは状況を的確に判断し後方からの危険な可撃を防ぐために即座に試合をストップした。このようにレフェリーは試合中、いかなる時でも選手が戦意喪失や棄権の意思表示を示した場合、即座に状況を判断し選手が危険なパンチを被打しないよう注意していなければならない。


■平成29年12月4日 後楽園ホール(採点検証)

藤原茜(ワタナベ) vs 田中智沙(勝又) 女子4回戦
結果:田中の2-1判定勝ち(39-38 39-37 37-40)

共に決定打の少ない微妙なラウンドが続く試合を各ラウンド毎に採点し検証を行った。
女子は1ラウンドが2分であり、男子より短いラウンドの中で採点しなければならず、有効打はもちろんのこと、攻勢点や主導権(リングゼネラルシップ)の有無を的確に判断し採点に結びつけなければならない。

■試合役員会からJBCへ


1.試合終了タイムに3‘10“があるかどうかの確認

終了ゴングと同時のダウンであれば、そこからカウントが始まるのであるから3‘10“というKOタイムはあり得るということが確認された。

2.試合役員会新会長就任について

 平成29年12月31日での安部会長の任期切れに伴い新会長とその他役員が決定された。

 会長  吉田和敏
 副会長 高橋淳一
 会計  須藤尚紀
 監査  安部和夫
以上