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東京試合役員会議事録
日時:平成28年10月27日(火) 18:30〜
場所:JBC本部事務局
出席者
レフェリー:安部、土屋、サラサス、吉田、葛城、杉山、中村、染谷、飯田、山岸
アナウンサー:須藤、小村、冨樫
タイムキーパー:高橋、松原、野中
スーパーバイザー:熊崎
進行:岩本
JBC:浦谷、羽生

会議冒頭、10月3日に亡くなられた元リングアナウンサーの酒井忠康氏に対し1分間の黙祷が捧げられた。

【レフェリング・ジャッジに関する件】

「ビデオ検証」
■平成28年9月27日 後楽園ホール ノンタイトル 57.5kg契約 
小嶋夏生(石神井スポーツ) vs 齋藤眞之助(石川ジム立川) 
TKO 1R 0’40” 小嶋の勝

第1ラウンド、小嶋の右パンチが当たった後の連打の最中に、レフェリーストップで試合が終了となった。このストップが早すぎるとして石川ジム立川より無効試合とするよう要請があった。

【状況】

試合開始早々に小嶋の右パンチで齋藤が腰を落とす場面があった。この時点でレフェリーは両者がデビュー戦ということもあり、齋藤が後続打を受けたらストップする体勢をとっていたところ、再度小嶋の右パンチがあたった為、危険なダウンによるKOとならぬよう早めにストップしたもの。

【検証結果】

試合をストップする権限は唯一レフェリーにある。今回のストップは映像を見る限り明らかなミスや間違いがあったとは言えず、レフェリーの裁定を尊重することが妥当との意見が多数を占めた。しかしながら、事故防止や安全管理上、早めのストップは当然としても、レフェリーは選手や観客、関係者など観るものに対し説得力のあるレフェリングに努めなければならない。

■試合中に、偶然のバッティングなどで両者流血のような凄惨さを感じさせる展開となった場合、レフェリーは負傷判定で勝敗の決まるラウンド(試合後半、10ランドの試合は4ラウンド以降)が脳裏をよぎることがあるが、流血が激しくなった時点で毅然とストップすることが重要。また、そのような試合をストップするようスーパーバイザーがレフェリーに進言しても良い。

■WBO年次総会の報告
平成28年10月17日から10月20日まで、プエルトリコ サンファンにて行われた第29回WBO年次総会におけるオフィシャル・セミナーの内容に関し、総会に出席した中村審判員から詳細な報告がなされた。
10−9のラウンドを、「10−9」なのか「9−10」なのかを議論するのではなく、小差の「10−9」なのか、中差の「10−9」なのかを議論することにより、採点基準をより精度の高いレベルに引き上げようという手法は日本の試合役員会でも有効であると思われる。

【確認事項】

■マウスピース紛失について
試合中ボクサーがマウスピースを吐き出し、リング外に落ちて紛失してしまった場合どのような措置をとるべきか。
安全管理上、ボクサーは試合中マウスピースを装着しなければならない。その為にJBC試合ルール第93条4項で「ボクサーは試合中、マウスピースを使用しなければならない。また試合に臨む際は、2つ以上のマウスピースを用意しなければならない。」と定めている。
よってマウスピースを装着しまいまま試合を続行させることは出来ない。故にマウスピースを1つしか用意せず、その1つを紛失した場合はその選手はJBCルール第93条4項に抵触し、失格負けとせざるを得ない。

■事故根絶の方法について
リング事故を未然に防ぐために、ラウンド間、またはラウンド中を問わず、どのような方法があるのかを引き続き議論していくことが確認された。

■ボクシングアナリスト増田茂氏による講演
40年に亘りソロのボクシングライターとして活動してきた増田氏が、審判員の歴史などを紐解きながら、独自の視点で現在のレフェリングに対し鋭い提言を投げかけ、現役試合役員たちと活発な意見交換を行った。

■その他
審判員の抱える心理的ストレスとその克服方法のヒントなどが記述された「トップレフェリーに必要な心理特性とは」という東京理科大学村上貴聡准教授の論文コピーが配布された。

以上